尊敬できる人に出会った事ありますか?50代の私は一度だけあります【体験談】

働き方

皆さん、「尊敬できる人」に出会ったことがありますか?

人それぞれ、どんな人に憧れているか、どんな部分を見てそう思うのか違いますよね。

TVや書籍を通して、その考え方や生き方に「尊敬できる」と感じる人がいるかもしれません。

凄い人って沢山いますが、身の回りにいるかと言われると見当たらなかったりしますよね。

目標とする人が身近にいる環境にある人はとても幸せです。

本記事では私が実際に出会った身近な「尊敬できる人」を紹介してみたいと思います。
軽い気持ちで、少しだけお付き合いください。

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「尊敬できる人」は50年間で一人だけ

50年生きてきた私が「尊敬できる!」と心底思ったのは一人だけです。

30代の頃に出会ったその人と過ごした期間は一年程ですが、50代になった今でもその人以上の人に出会えていません。

5歳年上の女性だったので、彼女は当時30代後半です。

仮にAさんとして紹介します。

尊敬できる人との出会い

Aさんと会ったのは、とある不動産会社の面接の時でした。

彼女はその会社の「役員の奥さん」で、私の面接に立ち会っていたんですね。

当時30代前半だった私は、シングルマザーとして働き、子供たちを育てていました。

子供たちが小学校高学年になり少し手が離れたので、以前から興味のあった不動産会社に転職しようと考えたんです。

既に何社かの不動産会社の面接に落ちていたので、祈るような気持ちで臨んだ面接です。

面接が終わり

「是非、よろしくお願い致します」

と深々と頭を下げ顔を上げると、Aさんがにっこりと微笑んでいました。

これがAさんとの出会いです。

後日、Aさんから採用していただけるとの連絡を受けた私は、飛び上がって喜びました。
面接の日、Aさんと初めて会って「この人のいる会社に入りたい!」と強く感じていたんです。

「宅建取りなよ」

やりたかった仕事だったので、一生懸命頑張りました。

Aさんはいつも別室の事務所に社長と共にいて、事務をしていました。

時々顔を合わせる程度で、話をすることも無く2か月ほどが過ぎた頃です。

Aさんがニコニコしながら私のそばに近寄ってきたかと思うと、言ったんです。

「宅建取りなよ」

私は、その会社で賃貸物件の営業事務をしていたのですが、宅建を取ろうなんて考えた事も無かったです。

そんなものがとれるわけないと、挑戦するつもりもなかったですから。

でもAさんはニコニコしながら「やってみなよ」と言い猛烈に拒否する私を無視してどんどん話を進めてしまいました。

そして、4か月後に行われる試験に受験する羽目になってしまいました。

私はシングルマザーなので、スクールに通うお金もないし、勉強する時間もありません。

それでも、とりあえず参考書と過去問題集を1冊づつ買いました。

最初に参考書に目を通すも、なにがなんやらさっぱり分かりません…

いやいや、無理でしょ・・絶対無理・・

そう思わざるを得ませんでした。

そんな気持ちが口に出る事もちょっちゅうあったのですが、Aさんは「大丈夫!!絶対大丈夫だから」と、いつもニコニコしていました。

社内の人間は、新入社員がそう簡単に取れる訳がないという目で見ています。

私自身もそう思っていました。

落ちる前提で話をしてくる先輩もいました。

それでも、そんな社内の人間を無視して

「絶対大丈夫!!受かってる未来しか思い浮かばないもん」

とAさんはニコニコ…。

怒る客に「ありがとう」と言わせて帰らせる

Aさんは、いつもどんな時でもニコニコです。

とても控えめな雰囲気をもつ彼女。

どんな人に対しても態度は同じ。

髪の毛を金髪にした若い子と話をする時も、偉い社長と話をする時も同じ。

ニコニコと笑顔で、控えめな話し方をします。

ただし、誰に対しても言いたいことはハッキリと伝え、曲げない所もありました。

会社にクレームを付けに来たお客様に対しても一緒です。

興奮しているお客さんの話を真剣に聞いて、そのうちいつものようにニコニコ穏やかな笑顔で受け答えを続け、最後にはクレームを言いに来たそのお客さんが

「ありがとうございました」

と言って帰って行ったこともあります。

これは人間力としか言いようがなくて、私には説明もできません。

適度にスキをみせる

わざとやっている訳ではないのでしょうが、ボケている所もありました。

いつも何かを探していました。

鞄のなかをゴソゴソしては

「鍵がないんだよ~」

「携帯がないんだよ~」

としゃがみこんで探しているんです。いつもです。

しゃがみこんで探すものだから、スカートやズボンのベルト部分の上からストッキングやパンツを覗かせていることもしばしば。

お宅にお邪魔した時は

「ブラジャーするの忘れたんだよ~」

とTシャツには乳首の形がくっきり・・皆を笑わせて自分も大笑い。

楽しむときは思い切り楽しむAさんです。

全く恰好をつけない、とっても素朴なんです。

威張らない

人を見下す事をしないので、全く威張らないんですよね。

会社では後輩に仕事を教える時や誰かがミスをした時・・・
とても高圧的な態度をとる人もいますよね。

さらにミスした人間を面白がってみんなでバカにする人も・・

そんなタイプの人とは次元が違い過ぎて、比べる事もできないです。

しかしその笑顔が一番怖かった

私は、そんなAさんの勧めで試験を受ける羽目になってしまったわけですが、正直生まれて初めて本気で勉強しました。

いつもニコニコと応援してくれるAさん。

社内の

「受かる訳ない」

という空気を無視して

「絶対、大丈夫だから!!」

と微笑むAさん。

数えきれないほど、この言葉を私にくれました。

私は仕事や家事で勉強する時間も満足にとれなくて、睡眠時間を削り深夜まで勉強しました。

朝少しでも時間があれば参考書を開いていました。

頭痛はするし、眠たいし、どんなにやっても理解できない。

そんな時に思い浮かぶのは、ニコニコと微笑むAさんの顔。

「絶対大丈夫だから!」って笑ってるんです。

社内には、一般的に怖いタイプの先輩もいました。
高圧的にくるタイプですね。

宅建の資格を既に取得していたその先輩も、勉強方法を教えてくれました。
高圧的に教えたがる感じです。

ですけど・・正直その人のアドバイス、私には響きませんでした。
私には、Aさんの言葉しか刺さらなかったです。

同時に私はAさんが一番怖かった。
Aさんに怒られたこともないのに、高圧的な先輩よりもずっと怖かったです。

いつもニコニコしてるのに。

なんで?って思うでしょ。

信じてくれているんだから頑張らなきゃ!
Aさんのために頑張ろう!

とにかくAさんに嫌われるようなことをしちゃいけないって思ってました。

認めてもらえるような自分になりたいと思ったんです。

怖かったというよりも、この人との繋がりを無くしたくない、ガッカリさせたくないという思いです。

宅建合格

なんと私は、宅建に4か月で合格することができました。

最初の1か月は完全に無理だと思っていたので、ビールを飲みながらダラダラと勉強していました。

その後

絶対大丈夫!!

と言われ続けた私は、お酒を断って時間を惜しんで勉強するようになりました。

会社の健康診断があると聞くと大喜びしたのを覚えています。

待ち時間に勉強できるから…

本当に生まれて初めて死に物狂いで時間を作りました。

合格が確定した時、Aさんはとても喜んでくれました。

「感動した~!!ありがとう!!」って…

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尊敬できる人に出会えた事で変わった事

私は、Aさんに出会うまで人を信じることも、人に信じてもらうことも無かったような気がします。
多分、自分のことさえ信じていない人間でしたから。

元々、自己肯定感が低めなので、本気で頑張ったことがなかったんですね。

いつも、やる前から諦めていたので。

学生時代の成績も悪かったですよ。

勉強もせず、遊んでばかりいましたから。

そして、人に期待することも無かったです。

人を信じないとか期待しないことで、自分が傷つくのを避けていたんだと思います。

Aさんは私の自己肯定感の低さを感じ、自信をつけさせたかったのかもしれないですね。

Aさんに出会えて、以前なら挑戦さえしないだろうと思う資格をとって

✔ 自信がついた
✔ がんばれば自分にもできる

以前の自分に比べれば、自信がついたと思います。
元々が自信のない人間なので、わずかな自信ですけどね。
けっこう、やさぐれていたと言う自覚はあるので。

そして、こんな自分でも頑張ればできるんだと思えるようになりました。

「尊敬できる人」に学んだ事

Aさんに出会えて、学んだ事は沢山あります。

✔人を信じる事
✔人に心を開く事
✔人を受け入れる事

人間関係にも子育てにも、生かせる事が沢山ありました。

50歳を超えた今でも私はAさんには程遠いです。

Aさんのようにはできません。

生涯の目標です。

Aさんに出会えて本当に良かったと思います。

Aさんに勧められ、宅建取得後は一緒に飲みに行ったり自宅で鍋パーティーをやったりと楽しい時間を共にさせてもらいました。

Aさんはその後、会社役員のご主人と離婚して実家に戻られました。
遠方なので、簡単に会うことができなくなりました。
Aさんを知る人に話しを聞くと、色々と大変な苦労をされてきた方のようです。

私はというと、その後Aさんと出会えた会社を辞め、せっかく取らせてもらった資格を生かせていません。
その会社に魅力を感じなくなってしまったんです。


でも、Aさんに会えて経験させてもらった事が私の考え方を変え、目指す人間像ができました。

これは私の財産だと思っています。

【まとめ】尊敬できる人に出会うと気持ちが整う


私が個人的に「尊敬できる人」を紹介しましたが、もしも身の回りに尊敬できる人がいるなら、それはとても幸せなこと。

尊敬できる人の影響を思い切り受けてください。

私は50年生きてきて、Aさん一人だけです。

一般的にどうなんでしょう。皆さん沢山いるのかしら?

尊敬できる人に出会えたなら、理想とする人間像をリアルに感じ取ることができます。
又、真似をしてみる事もできます。

なかなか思うようにはいかないですけどね。

自分の事ばかり考えるのではなく、人に良い影響を与える人間になりたいですよね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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